発表のポイント

  •   高校生が困った時に他者に助けを求める行動(援助希求行動)は、積極的に他者を助ける学級の考えや行動(向社会性)と関連することが、中高校生に協力を得た大規模調査データから明らかになりました。
  •   これまで、向社会性と援助希求行動の関連については、個人ごとの向社会性によるものか、所属集団の向社会性によるものか、明らかではありませんでした。そこで向社会性を、学級全体の平均と、各生徒の学級平均からの差に分けて検討したところ、学級全体の向社会性と個人ごとの向社会性のいずれもが、援助希求行動と関連することが明らかになりました。
  •   本研究により、高校での他者と助け合う学級風土作りが、日頃の友人同士の支え合いを促し、精神的に困った時の助けの求めやすさにつながることが示唆されました。このことは、虐めや自殺への対策のひとつとなると期待されます。

 

所属する学級および個人レベルの向社会性と援助希求行動の関連を分析