ソン クレメント

アントレプレナー・イン・レジデンス(EIR)プログラム

EIRディレクター

IRCNから世界へ―脳科学研究の社会実装と国際連携を目指して

活動方針

 IRCNのEntrepreneur-in-Residence(EIR)ディレクターとしての中核的な使命は、IRCNが有する神経科学研究の強みを、社会や世界へと広くつながる研究・事業創出の基盤へと発展させることです。日本は世界トップレベルの科学研究力を有していますが、最先端科学や脳科学技術の分野における大学発スタートアップ創出は、海外の先進的な産学連携と比較すると、依然として発展途上にあります。私は、研究者、起業家、投資家、産業界、政府関係者を、具体的な事業化の可能性を軸に結びつける「橋渡し役」を担いたいと思っています。


 初年度は、以下3点の実践的な取り組みに注力します。


1) IRCNのリーダーや若手研究者たちと一緒に、起業や事業化の可能性を有する研究領域を見出すとともに、それらを起業家や投資家、企業パートナーに伝わりやすい形で整理・発信します。


2) IRCN研究者を支援できるベンチャー投資家、脳科学技術分野の起業家、企業パートナー、海外専門家とのネットワークを構築し、助言や意見交換、共同研究・事業連携、資金調達の機会へとつなげます。


3) 2026年10月に開催予定の「Neurotech Forum」を中核的な取り組みとして企画・運営し、世界の脳科学技術分野を牽引するリーダーたちを日本に招くことで、大学とベンチャー企業をつなぐ国際的な交流基盤の形成を目指します。


 目指す成果は、単なるイベント開催にとどまりません。本取り組みを通じて、継続的に新たな連携や事業が生まれる仕組み作りを進めていきます。

EIRプログラムを通じて、IRCN研究者が起業や社会実装への理解を深めると同時に、外部パートナーがIRCNの研究の価値や可能性をより深く理解することで、新たな企業創出、社会実装につながる研究、国際連携の機会をサポートしていきます。

Neurotech Forumおよび関連活動を実践的な手段として活用しながら、日本の脳科学研究と社会・産業界とのつながりをさらに強め、より挑戦的かつ国際的な研究・事業創出の発展に貢献していきます。

略歴

 Clement Songは、テクノロジー企業の立ち上げから大規模事業化までを手がけてきた起業家、投資家、テクノロジストです。米国・バージニア大学にてコンピュータサイエンスおよびコンピュータエンジニアリングを専攻し、同大学の特別奨学生であるRodman Scholarに選出されました。キャリア初期にはMicrosoftに入社し、Xboxチームのプロダクトマネージャーとして、Xbox 360、Xbox Live、Xbox Live Visionなどの製品開発に携わりました。

 その後、eCitySkyを創業し、初期のWebベース3Dバーチャルワールド・プラットフォーム「GameXiu」を開発しました。同社は後にYYと統合され、YYはNASDAQ上場企業「JOYY」へと発展しました。次に創業したAiNemoでは、同社のスマートディスプレイ製品を1,800万世帯以上に普及しました。このようにして関わってきた、発明・実用新案・デザインなどで25件の登録特許を保有しています。

 投資家およびアドバイザーとしては、ロボティクス、AI、ディープテクノロジー分野の企業支援に幅広く関与してきました。農業ロボティクス企業XAGへの初期投資および長期的な取締役会参画をはじめ、日本および米国のロボティクス・スタートアップに対するアドバイザリー活動も行っています。また、遺伝学、分子生物学、神経回路、計測技術、ヒト神経科学など幅広い分野の研究室を訪問・交流しながら、神経科学および脳科学技術分野への理解も深めてきました。

 現在は、神経科学、AI、ロボティクス、ベンチャー創出が交わる領域を中心に活動しており、特に、優れた学術研究を社会実装や新たな新規事業へと結びつける仕組みづくりに強い関心を持っています。