2025年11月14日(金)、暁星高等学校の生徒名が職業体験実習の一環で、IRCNを訪問しました。

 本実習は、生徒の皆さんに研究の最前線を「訪れる・体感する・考える」機会を提供することを目的とした取り組みです。暁星高等学校からは、将来の進路やキャリア形成を考える一環として、多くの意欲ある生徒の皆さんが参加されました。

 今回の実習の中心となったのは、IRCNの渡部喬光教授によるキャリアパスに関する講話でした。東京大学医学部在学中にヒトの認知高次機能に関する実験研究を開始したこと、その後、精神科医として診療を行いながらロンドンなどで基礎研究に従事したこと、そして2020年に東京大学に戻り、IRCNで自身の研究室を立ち上げた経緯を紹介しました。医師としての臨床と研究者としての探究を両立する職業のあり方が示され、生徒が将来のキャリアパスについて理解を深める機会となりました。

 また、ADHDをはじめとする神経発達特性に関わる脳ダイナミクスの研究、さらにAIやLLM(大規模言語モデル)研究との関連性について、最新の知見を交えてわかりやすく紹介しました。渡部教授は「ヒトと人工知能の共通点と相違点」を脳・ネットワークの動態から探究する研究を推進しています。

 講義後には、実際の研究施設の見学を行い、脳の神経活動の変化を解析するための研究機器や手法を紹介しました。AIを活用した脳研究、意識・注意・言語に関わるメカニズム、さらにLLMによる知能拡張など、多様なテーマに触れることで、生徒一人ひとりが普段は得られない研究の視点や方法を知る貴重な時間となりました。

 今回の職業体験実習を通じて、研究とは教室を超えて世界とつながる営みであること、そして「知りたい」という探究心が未来を切り拓く力になることを共有できたと感じております。今後も、若い世代の学びとキャリア形成を支援するとともに、研究機関として社会との対話を一層深めてまいります。


【参考情報】
▶ 渡部喬光 教授:
https://ircn.jp/mission/people/takamitsu_watanabe
▶ Takamitsu Watanabe Lab (渡部喬光研究室):
https://sites.google.com/site/takamitsuwatanabesite/