2019年8月7,8日(水・木)の両日、IRCNは東京大学オープンキャンパスの一環として『脳科学研究の最先端-新たな学問分野「ニューロインテリジェンス」とは?』を開催いたしました。
このなかでIRCNにて技術開発を担当する清水久史特任助教より、マイクロ流体チップについての講義“ミクロの空間に液体を流す”が行われました。マイクロ流体チップとは数センチ角のガラスの基板上に髪の毛ほどの細い流路を作成したもので、この小さな空間で分離、合成といった化学プロセスを操作することができます。
マイクロ流体チップを使うことによって、脳のなかのニューロンと血管の境目においてどのようにグルコースなどの栄養分が行き来しているかを再現できたりするほか、ヒトの細胞分析や血液分析などが微量で出来るようになり、これがバイオの研究において革命的であるとの説明がありました。
その後、マイクロ流体チップを実際に使った実験では、水と油を十字型マイクロ流体チップの中に流すことによって、水の力で切り分けられた小さい油の粒(油滴)が出来る様子を、当日参加したおよそ80名の高校生が顕微鏡で観察しました。実際の研究では油によって小さい水の粒をつくり、そのなかに細胞を閉じ込めて分析するという話を聞いた高校生は、その高い技術に驚いていました。

講義のあとは清水助教の研究室のほかIRCNの研究を支えるコアファシリティーの1つであるイメージングコアを訪れ、固定した脳や培養した脳細胞、さらには生きたマウス脳内の細胞を観察できる様々な種類の国内でも最高レベルの顕微鏡の数々を見学しました。
参加した高校生からはIRCNのような国際的で最先端な研究機関を目指したくなりました、脳科学に感銘を受けたので医学部を志しますといった前向きな感想をいただきました。

東京大学新聞オープンキャンパス号にIRCNが取り上げられましたので、こちらもご覧ください。
http://www.todaishimbun.org/company/20190807opencampus/

ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。