2019年7月20日(土)に、IRCNは東京都豊島区にある託児施設、RYOZAN PARK PRESCHOOLにて、「幼少期の言語獲得について学んでみよう ~大切なこの時期に親ができることとは?~」を開催し、幼少期の言語習得を研究テーマとしている辻晶主任研究者による講義が行われました。
まず初めに赤ちゃんが生後すぐの状態でも母国語を識別し、効率的に言語を習得していくためにより母国語への認識を強めていくといった、赤ちゃんの言語習得における特徴についての説明がありました。
そのうえで、実際に親として子供の言語習得のために何をしたらいいかという具体的な話題になり、集まった40名の保護者は熱心に耳を傾けていました。
言語発達における6つの法則、「頻度(言葉を聞く回数)」「興味(赤ちゃんの関心)」「随伴性(相手からの反応)」「意義(文脈的に結びつけることで理解を深めること)」「多様性(様々な種類の実例に触れること)」「相反性(単語の使い方等を比較しながら習得すること)」についての講義がありました。
そのなかで「頻度」については赤ちゃんが知っている単語数は聞いている単語数と相関関係にあるので、できるだけ話しかけることが重要であること、また「興味」については親が赤ちゃんと同じものに興味を示しながら会話をしたり一緒に本を読むことが大事であること、さらに赤ちゃんの発話に合わせてタイミング良く親が反応したり質問したりすること、つまり「随伴性」を高めることなどが重要であるという説明がありました。
さらにはバイリンガルに関するテーマについての講義もあり、バイリンガリズムが子どもを賢くするかどうかという質問が出されました。辻主任研究者は複数の言語を習うことはもちろん、幼いころから音楽に触れることなど、心を豊かにするような教育によって子どもの認知能力が上がり、物事の切り替えが上手になることが考えられるとしました。
「ビデオやテレビを見せることでは学習は難しいのでしょうか」との保護者からの質問に対しては、言語をまだ理解していない段階で画像を見せるだけというのはあまり効果がないが、見るときに内容について一緒に話すなど随伴性を高めることで学習効果が上がること、また子供の言動に対してきちんと反応するアプリであれば学習効果はあるとの見解を示しました。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
なお、辻主任研究者の「赤ちゃんラボ」では赤ちゃん研究員を募集しております!
0ヶ月から2歳児ごろまでを対象に、調査にご協力いただける赤ちゃんを募集しておりますので、ご興味のある保護者の方がいらっしゃいましたら、是非下記をご参照ください。
https://sites.google.com/site/tsujish/contact/ircn-babylab