第10回 IRCN・Kavli IPMU・ELSI 合同一般講演会
起源への問い


 2025年1月25日、東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN)、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU-WPI)と東京科学大学地球生命研究所(WPI-ELSI)と第10回合同一般講演会「起源への問い」を開催いたします。

 宇宙・地球・知性..その起こりはどのようなものだったのでしょう。私たちは歴史のなかで、たえずこの問いに向き合ってきました。
本講演会では宇宙・地球・知性の起源について、今どこまで解き明かされているかその最先端のサイエンスをわかりやすくお話しするとともに、異なる領域で起源に迫る3名のサイエンティストの対話を、まだ現在のようには学問が分化していない中世の哲学の研究者がモデレートします。
 

・日 時: 2025年1月25日(土) 13:00-17:10
・会 場:
 SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)スクランブルホール
 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア15階 SHIBUYA QWS内

・参加費: 無料
・定 員: 170名(会場参加)、定員なし(オンライン視聴)
・対 象: 高校生以上
・申込締切:
 会場参加 1月10日(金)17:00
 オンライン視聴 1月24日(金)17:00

※申込み多数の場合は抽選を実施し、結果を1月10日㈮に通知します
 オンライン参加の方には視聴URLを1月24日㈮の17:00にお知らせします

・参加申込(Peatix): https://qws-academia-special-0125.peatix.com

お申し込みはこちらをクリック(Peatix)

登壇者

 
伊藤 由佳理
東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構(WPI-Kavli IPMU)教授
 
幾何学、そして座標の誕生
幾何学は英語でgeometryといい、地球(geo)を測る手法(metry)である。ユークリッド幾何学は、古代エジプトでナイル川の洪水の度に必要とされた測量の技術として生まれた。その後「我思う、ゆえに我あり」という言葉で有名な哲学者デカルトが幾何学に座標を導入し、形や大きさだけでなく、位置関係も記述できるようになった。現在も、この概念は数学だけでなく、物理や工学などに欠かせないものとなっている。この講演ではこれらの歴史から現代数学のひとつである代数幾何学について紹介したい。また数学を中学・高等学校で学ぶ意義や、現代社会における数学の役割についても触れたい。
 

 
岡田 康志
東京大学 ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN)教授
 
「生命力」の起源を顕微鏡で探る
タンパク質などの生体高分子の集合体である細胞が生きているとはどういうことなのだろうか? 
水分子の集合体が、冷却すると氷になり、加熱すると水蒸気になるような状態変化として、細胞の生と死を理解することはできるのだろうか。細胞質のタンパク質濃度は約30%であり、満員電車なみの混雑環境であると言われている。そのような混雑環境での化学反応は、試験管内の希薄溶液系での化学反応とは異なる可能性が指摘されている。特に近年、細胞内で特定のタンパク質などが濃縮した液滴が形成されることが注目を集めている。私たちは、光学顕微鏡の限界を超えて、分子を直接観察する顕微鏡技術を開発し、生きた細胞の中での計測を進めてきた。本講演では、こうして開発してきた顕微鏡で得られた細胞の画像を紹介しながら、「生命力」の起源について議論したい。
 

 
井田 茂
東京科学大学 地球生命研究所(WPI-ELSI)教授
 
地球外生命から生命の起源、普遍生物学へ
数千もの多彩な姿の惑星系が発見され、銀河系の星々が地球型惑星を持つ確率は50%以上だ。海を持つ惑星も多数存在しそうだが、現在観測可能なのは赤色矮星をめぐる地球とはかけ離れた姿の惑星たち。一方で太陽系内の木星や土星の氷衛星の内部海やメタンの海にも生命がいる可能性がある。今後、太陽系外の惑星を観測する宇宙望遠鏡や外惑星の氷衛星に向かう探査機が次々と打ち上げられ、地球外生命の何らかの情報が近いうちに得られる可能性がある。しかし、天体と生命は一体なので、系外惑星や氷衛星にどんな生命が存在し得るのか、そもそも生命とは何かという問題が突きつけられている。こんな状況の中、科学者たちが何を考えているのかを紹介する。 

 

山内 志朗
慶應義塾大学 名誉教授
 
無限性を宿す生成の原理としての普遍―中世におけるミクロとマクロ
地球上にいる多くの生物が音声を用いてコミュニケーションしていますが、その中でどの様な音声を発声するか、発声学習できる動物は我々ヒトを含む限られた動物だけです。その中で歌を唄うソングバードは、我々ヒトの赤ちゃんが親との音声コミュニケーションを通して言葉を話すようになるのと同様に、発達期に親の歌を真似して唄うことで歌を学習します。コミュニケーションを介して自身の種に特有の歌を学習することで種を保存し、情報・知性を継承していると考えられています。本講演ではこのコミュニケーションから行う音声学習を可能にする脳の仕組みについての研究を紹介します。
 

会場アクセス

SHIBUYA QWS(渋谷キューズ) スクランブルホール
東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア15階 SHIBUYA QWS内

 

お問合せ

04-7136-5981 / Email: koukai-kouza*_at_ipmu.jp(Kavli IPMU広報)
*_at_を@に変えてお送りください
 

主催

 
東京大学 ニューロインテリジェンス国際研究機構(WPI-IRCN)
東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構(WPI-Kavli IPMU)
東京科学大学 地球生命研究所(WPI-ELSI)