2023年11月5日、第9回目となる東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構(IRCN)、カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)、東京工業大学地球生命研究所(ELSI)との合同一般講演会「起源への問い」を開催いたします。

宇宙・地球・生命・知性…その起こりはどのようなものだったのでしょう。私たちは歴史のなかで、たえずこの問いに向き合ってきました。
本講演会では宇宙・地球・生命・知性の起源について、今どこまで解き明かされているか、その最先端のサイエンスをわかりやすくお話しするとともに、起源を問うとはどういうことなのかという根源的な話題について、サイエンティストの対話を哲学者がモデレートします。

IRCNからは後藤由季子主任研究者が登壇します。
講演タイトル「脳を創る幹細胞の運命制御」

是非ご参加ください!

開催日時: 2023年11月5日(日) 13:30-16:05 (13:00開場)
開催方法: ハイブリッド開催(会場開催とオンライン配信)
会場: 東京工業大学 70周年記念講堂 (東急大井町線・目黒線 大岡山駅から徒歩3分)

対象: 高校生以上
参加費: 無料
定員: 会場参加は600名(登録先着順)、
オンライン参加は原則定員なし(オンライン参加は配信終了時間まで申込可能)

申込方法(要事前申込):  https://joint-public-lecture-2023.peatix.com
申込締切: 会場参加は2023年11月2日(木) 正午(ただし定員に達し次第応募受付を終了)

主催: 東京工業大学 地球生命研究所 (WPI-ELSI)、東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 (WPI-Kavli IPMU)、東京大学 ニューロインテリジェンス国際研究機構 (WPI-IRCN)
お問合せ:  pr@elsi.jp

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プログラム

講演1(13:45-14:15) : 人類は生命を部品から作れるのか?
 松浦 友亮 WPI-ELSI (東京工業大学) 教授

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地球上には多様な環境が存在していますが、生命が居ない場所を見つけるのが難しいほど、生命はどこにでも居ます。暑い、寒い、暗いなど驚くほど過酷な環境でも生きています。更に驚くほど多様な形態や生態を持っています。しかし、地球生命の基本単位は全て細胞です。細胞ができることが生命誕生の最初のステップであったと予想されます。では、細胞はどのように産まれたのでしょうか?世界中の研究者がこれを明らかにすべく、実験室で細胞を部品から人工的に作ることを目指して研究を行っています。本講演では、細胞をその構成要素から創る研究の最前線を紹介します。
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プロフィール:1999年大阪大学で博士号を取得、その後、スイスのチューリッヒ大学でポスドク研究員、大阪大学で助教・准教授を経て2020年より東京工業大学・地球生命研究所・教授。専門は合成生物学、バイオテクノロジー。

講演2(14:15-14:45) : 脳を創る幹細胞の運命制御
 後藤由季子 WPI-IRCN (東京大学)教授

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私達の脳は、非常に多様な種類のニューロンやグリア細胞から構成されています。これらの細胞は共通の前駆細胞「神経幹細胞」から作り出されますが、決してランダムに作られる訳ではありません。必要な細胞の種類が必要な数生み出され、それらが正しい場所に配置されることが、脳の正常な機能において必須となります。それでは、神経幹細胞はどのように生み出す細胞の種類を決めているのでしょうか。そして脳の発生・発達がストレスなどで影響をうけたとき、脳はどのような変化を示すのでしょうか。本講演では進行中のプロジェクトを含めこれらについてお話しさせていただきます。
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プロフィール:東京大学理学部生物化学科卒、同理学系研究科生物科学専攻修了。理学博士。京都大学ウイルス研究所、フレッド・ハッチンソンがん研究センター、ハーバード・メディカルスクール、東京大学分子細胞生物学研究所を経て、現在同ニューロインテリジェンス国際研究機構 主任研究者/同大学院薬学系研究科 教授。専門は分子生物学。研究テーマは細胞運命制御。

講演3(14:45-15:15) : 「圏」を通じて対称性の起源を求める
 戸田幸伸 WPI-Kavli IPMU(東京大学)教授

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我々の住む宇宙には、カラビ・ヤウ多様体と呼ばれる目に見えない6次元空間が潜む(かもしれない)と考えられています。この6次元空間内の、形と大きさを指定した曲面の数を数えるという問題は数学・物理双方にとって重要で興味深い問題です。一方、「圏」とは数学的対象物のコミュニティを表現する抽象的な概念で、数学における様々な対称性が圏を用いて実現されることが知られています。この講演では、曲面の数え上げの不思議な規則性や対称性、更により深い構造について「数」の概念を飛び出して「圏」の概念を用いることでそれらの起源を求めるというお話をします。
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プロフィール:1979年、秋田県生まれ。2006年、東京大学大学院数理科学研究科博士課程修了、博士(数理科学)。代数幾何学を専攻し、特に代数多様体上の連接層の導来圏やDonaldson-Thomas不変量の研究を行っている。日本数学会幾何学賞・春季賞・日本学術振興会賞を受賞。著書「連接層の導来圏に関わる諸問題」(数学書房)「連接層の導来圏と代数幾何学」(上原北斗氏と共著、丸善出版)など。

鼎談
 モデレーター : 山本貴光 教授 東京工業大学 科学技術創成研究院・リベラルアーツ研究教育院

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プロフィール:1971年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、コーエーでゲーム開発に従事。2021年から現職。著
書に『「百学連環」を読む』『文学問題(F+f)+』『マルジナリアでつかまえて』、編著に『世界を読み解く科学本』、共著に『人文的、あまりに人文的』『世界を変えた書物』『私たちはAIを信頼できるか』など。