宇宙・地球・生命・知性…その起こりはどのようなものだったのでしょう。 私たちは歴史のなかで、たえずこの問いに向き合ってきました。
東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)、東京工業大学地球生命研究所(ELSI)と当機構との第7回合同一般講演会「起源への問い」では宇宙・地球・生命の起源について、今どこまで解き明かされているかその最先端のサイエンスをわかりやすくお話しするとともに、起源を問うとはどういうことなのかという根源的な話題について、サイエンティストの対話を哲学者がモデレートします。
皆様のご参加をお待ちしております。
日時: 2022年1月30日 13:00-15:50
会場: オンライン開催
対象: 高校生以上
参加費: 無料
定員: なし
申込: iPMUの講演会ホームページよりお申込みください(1月28日締め切り)
お問い合わせ: iPMU広報 Email: koukai-kouza*[at]ipmu.jp
*[at]を@に変えてお送りください。
*詳細は下記(PDF)をご参照ください
プログラム
13:10-13:45
講演1: 地球外物質からわかる 地球物質のものがたり
講師:伊佐 純子 (ELSI 研究員)
地球はもともとどのような物質が集まってできたのでしょうか。その謎を紐解くには原材料を調べることが有効ですが、地球上には出来た当初の状態のままの物質は存在しません。しかし、太陽系内には形成当初からほとんど変化を遂げなかった物質や、惑星になれなかった物質などが存在します。そこで、太陽系初期の状態を理解するために、それらの地球外物質が研究されています。本講演は地球外物質からわかってきた、地球、そして我々を構成する地球物質が巡ってきた太陽系のものがたりを最近の研究を交えてお話いたします。
13:45-14:20
講演2: 知性の起源としての思い込み
講師:渡部 喬光 (IRCN 主任研究者・准教授)
ヒトの知性はどのようなメカニズムで成立しているのか?認知神経科学や人工知能研究の発展の結果、精密で即応性が高い知性については、強化学習や予測符号化システムといった観点から、その神経機構や成立過程が徐々に明らかになってきました。しかしヒトの知性の全てをこのパラダイムで説明することは難しいでしょう。例えば予測符号化システムはあまりに慎重すぎて、創造性やひらめきは言うに及ばず、論理的思考の種すら発生しづらいからです。ここでは、「忌み嫌われがちな過剰適応や思い込みこそ、こういったヒトらしい知性の起源の一つではないか」という仮説について、神経科学・精神神経科学の視点から話したいと思います。
14:30-15:05
講演3: すばる望遠鏡で探る宇宙の構造の起源と成長の歴史
講師:日影 千秋 (Kavli IPMU 特任准教授)
宇宙には、太陽系・星・銀河・銀河が群れ集まって蜂の巣状に見える宇宙の大規模構造などの多様な構造があります。こうした宇宙の構造は、宇宙が誕生した直後に生まれた小さな時空のゆらぎが起源となり、約138億年の時間をかけて形成されたと考えられています。宇宙には「ダークマター」や「ダークエネルギー」とよばれる正体不明の成分が宇宙の95%以上を占めていることが明らかになり、宇宙の構造の成長に深く関わっています。本講演では、すばる望遠鏡を使って観測した銀河データから宇宙の構造が成長する様子を調べ、宇宙のダーク成分の素性解明を目指す最新の研究について紹介します。
15:05-15:50
座談会: 起源を問うとはどういうことか
モデレーター:丸山 善宏 (オーストラリア国立大学 シニアレクチャラー)
起源を問うとはどういうことなのか。異なる領域で起源に迫る3名のサイエンティストの対話を数学・情報・物理・哲学を横断する研究者がモデレートします。