2025年4月17日、プリンセス・チュラポーン・サイエンスハイスクール チェンライ校から生徒12名、教員2名、東京学芸大附属高校の教員3名がIRCNを訪問しました。
まず、木村昌由美事務部門長が神経科学、数理科学、テクノロジーを融合して知性の起源にせまる「ニューロインテリジェンス」の学際的なアプローチを紹介しました。
続いてラルフヴォン特任助教が講義を行い自身の先端研究を発表しました。その後2つのグループに分かれて研究室を見学し、さらに若手研究者とインタラクティブな交流会を実施しました。
【講義】
『Decoding human emotions: Can AI estimate emotions using facial expressions, speech, and physiological signals?』
エルブエラ ヴォンラルフディンマルケズ 特任助教
エルブエラ ヴォンラルフディンマルケズ特任助教は顔の表情、言語、脳波(EEG)、心拍数/ 心電図(ECG)、皮膚反応(GSR)といった生理的信号を解析し、深層学習モデルを活用することで、感情を測定可能かつ解釈可能なデータとして捉え、AIによる感情推定を可能にするという最新の研究成果を紹介しました。
【研究室見学】
長井志江研究室
“Robotics and Computational Approaches to Cognitive Development, Emotion Understanding, and Neurodiversity”
担当:エルブエラ ヴォンラルフディンマルケズ特任助教、リ ズイチェン特任研究員、中田 星矢特任研究員、その他ラボメンバー
顔の表情、言葉、生理的信号に応じて、ディープラーニングモデルが 2Dの興奮度・価値マップ上でリアルタイムに感情を推定・変化させる様子を体験しました。生徒たちは、ASDの視覚的体験を再現したインタラクティブなシミュレーションを、リアルタイムと録画の両方のデモンストレーションを通して楽しみました。
また、ニューラルネットワークモデルを搭載したロボットが、生徒の描いた絵の完成を予測し、絵を描き足す実験も行いました。
IRCN Babylab
”Exploring language development in infants: Insights from diverse methods“
担当:ロブチェビック・イレナ 特任研究員、渡邊健太 特任研究員
Babylab では子どもの言語習得の発達プロセスを解明するために研究を行っています。
今回は、赤ちゃんが着用できるオーディオレコーダーやカメラを使って、乳児の家庭での発話環境を記録する研究、そして様々な言葉に反応する脳の信号を測定する研究を紹介しました。
おわりに
今回の見学実習では、参加した生徒たちがIRCNの研究者の考えや研究内容に直接触れる貴重な機会となりました。この体験が、彼らの知的好奇心を刺激し、科学の楽しさや探究の喜びを発見するきっかけとなったことを願っています。



