2025年1月9日(木)、IRCN主催で「発達障害の特性を生かして活躍できる社会を考える ~当事者の思いやり、そして受け入れとは?~」を開催しました。多くの参加者にお集まりいただき、社会でのニューロダイバーシティへの理解と寛容の重要性をともに考える交流と学びの場となりました。
映画上映「僕の弟はヒーロー」、原作者と研究者による対談
上映された映画「僕の弟はヒーロー」の原作を手がけ、主人公のモデルでもあるジャコモ・マッツァリオール氏もイタリアから駆け付け、ご参加くださいました。映画上映後には、ジャコモ氏と、発達障害を持つ人々の生活支援や社会参画を進めるための研究にも取り組まれている中邑賢龍(東京大学先端科学技術研究センター・シニアリサーチフェロー)先生が「寛容」の概念を社会にどのように取り入れ、個々の違いを尊重する文化を築くべきかについて活発に議論しました。参加者からの質問も多く交わされ、社会における障害特性への理解と多様性を受容する姿勢の重要性について、意義深い考察が行われました。質疑応答の時間も盛況で貴重な機会となりました。
IRCN研究紹介とASDシミュレータ体験
IRCNの研究を紹介するブースでは、長井研究室のASDシミュレータ体験コーナーを設けました。シミュレータを通じて感覚過敏を実際に体験し、自閉症スペクトラム障害を持つ方々の生きづらさをより深く理解することができたという声が多く寄せられ、参加者にとって新たな視点を得る貴重な体験の場となったようです。
参加者のお声
参加者からは、ジャコモ氏の話に深い感銘が多く寄せられました。「ジャコモさんと直接話せて感動した」「映画を見て、自分の家庭について振り返ることができた」といった声もありました。また、映画で描かれた兄弟愛や家族愛に共感した参加者も多く、感情をゆさぶられたとのことです。
さらに、中邑賢龍先生の取り組みに共感し、「テクノロジーが障害を補完し、個性へと自然に移行する未来への期待感」を抱いたというフィードバックもありました。「今後の社会でどのように貢献できるかを考えるきっかけになった」といった声も多く寄せられました。
今後の取り組み
今回のイベントは、ニューロダイバーシティへの理解を深め、社会の中でどのように個性を尊重し共生するのかを考える貴重な機会となりました。IRCNは今後もDEI(ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性))の観点から社会的課題にも取り組んでいきたいと思っています。
多くの方々にご参加いただき、誠にありがとうございました。



