12月17日(日)に、伊藤国際学術研究センター伊藤謝恩ホールにて、ニューロインテリジェンス国際研究機構(IRCN)第1回国際シンポジウムが開催され、多くの大学院学生を含む総勢200名以上の参加がありました。
IRCNは、文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)(WPI: World Premier International ResearchCenter Initiative) が採択され、本年10月10日に発足した新しい研究拠点で、今年10月に10周年を迎えたカブリ数物連携研究機構(Kavli IPMU)に続き、東京大学がホストとなる2つ目のWPI拠点です。
IRCNはTakao Henschハーバード大学教授を拠点長として迎え、「脳の神経発達」「精神障害」「AI」の3分野のシナジー効果により新たな学問分野である「ニューロインテリジェンス」を創設、「ヒトの知性はどのようにして生じたか?」という我々の究極の問いに挑む野心的な構想を実現し、人文社会科学とも連携して人類社会の課題解決に貢献していきます。本イベントは、IRCNの発足を記念して開催されたキックオフシンポジウムで、Hensch機構長の開会の挨拶で幕を開け、五神総長、関靖直文部科学省研究振興局長、及び宇川彰日本学術振興会WPIプログラムディレクターによる挨拶が行われました。五神総長からは、本学が持続可能でより良い未来社会の実現に貢献するために、IRCNに大きな期待を寄せていること、IRCNを大学の恒久的な機関として位置付け、大学が最大限に支援していくことが述べられました。続く「WPI Overviews」のセッションでは、村山斉カブリ数物連携宇宙研究機構長、柳沢正史筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構長、及びHensch機構長による各拠点の紹介講演が行われ、午後に「Basic」「Computational」「Human」という3つのテーマ構成により、国内外からのゲストスピーカーや主任研究者による学術講演が行われました。
今後は、Hensch機構長の強力なリーダーシップの下、大きな科学的インパクトを有する新たな「ニューロインテリジェンス」分野が生み出され、世界中の多くのトップレベルの研究者を惹き付ける、真に国際的な研究拠点の構築が実現されます。IRCNは研究の卓越性に貢献するのみならず、ハーバード大学等と東京大学の学生交流を促進するための教育プログラムの実施により、学生の国際総合力の向上にも寄与することが大いに期待されています。

開会の挨拶をするTakao Hensch機構長と会場で初めて披露されたロゴマーク (左から)村山斉Kavli IPMU機構長、相原博昭大学執行役、五神真総長、Hensch機構長、関靖直文部科学省研究振興局長、宇川彰日本学術振興会WPIプログラムディレクター、柳沢正史筑波大学IIIS機構長